本ガイドラインについて

 臨床診療ガイドラインの目的は,肺癌に関してEBMの手法に基づいた効果的・効率的な診断・治療法を体系化し,効果的な保健医療を確立し,ひいては豊かで活力ある長寿社会を創造するための一翼を担うことである。本ガイドラインの対象は,肺癌診療に携わる医師としたため,一般の方々にとっては専門的すぎる内容もみられるが,肺癌診療医とともに御覧になっていただきたい。

 本ガイドラインは,日本肺癌学会ガイドライン検討委員会と各小委員会の多くの委員ならびに協力者(別掲)による討論の上,理事会の議を経て承認されたものである。

 診療ガイドラインは,あくまでも診断や治療に対する「判断指針」であり,強制力をもつものではない。ガイドライン作成の基になったエビデンスはある特定の症例集団を基にした臨床試験の結果であり,日常の診療においてはこれらのデータがそのまま実践に応用できるとも限らないことを十分に認識すべきである。一方,次々に出てくる臨床試験の結果を踏まえてガイドラインの内容を逐次変更していくことは現実的に難しい。ガイドラインの情報を踏まえた上で,個々のレベルで新しい情報を整理することが勧められる。また,提示された診療の推奨グレードは一つの大規模臨床試験の結果のみで左右されるものではなく,複数の要因を考慮しながら決定されるものであると理解していただきたい。

資金源・利益相反について

 ガイドライン作成のための費用はすべて日本肺癌学会が負担した。ガイドライン検討委員会の委員は会議参加のための交通費,宿泊費の支給は受けたが,文献入手に関わる費用,原稿作成,会議参加に対しての報酬は受け取らなかった。

 また,すべての委員が,利益相反管理委員会においてガイドライン検討委員就任の適格性について審査を受け承認された。

一部の委員が助成を受けている企業名一覧(29社/団体)
・アステラス製薬株式会社 ・東芝メディカルシステムズ株式会社
・アストラゼネカ株式会社 ・認定特定非営利活動法人西日本がん研究機構
・アッヴィ合同会社 ・日本イーライリリー株式会社
・株式会社EPSアソシエイト ・国立研究開発法人日本医療研究開発機構
・エーザイ株式会社 ・日本クリニカルオペレーション株式会社
・MSD株式会社 ・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
・小野薬品工業株式会社 ・ノバルティス・ファーマ株式会社
・クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 ・パレクセル・インターナショナル株式会社
・コニカミノルタ株式会社 ・ファイザー株式会社
・サクラファインテックジャパン株式会社 ・ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社
・沢井製薬株式会社 ・ムンディファーマ株式会社
・第一三共株式会社 ・メルクセローノ株式会社
・大鵬薬品工業株式会社 ・株式会社ヤクルト本社
・武田薬品工業株式会社 ・株式会社リニカル
・中外製薬株式会社
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